さてさて昨日の_

「座頭の木」どうでした?この難しい話に<普通の作画主体のアニメーションじゃなく、美術の人のイメージを優先して演出しよう>っていうプランを立てたのはチーフディレクター前田庸生さんです。
(それにしても、今度の放送で何で総監督の名前が削除されてるんだ?音響・編集・音楽だけっておかしくないか?両社さんよ、昔のOPでは制作グループ・タックで、監督も一枚看板だったの忘れちゃった?。両方外した理由をHPででも釈明してみろって。またあらためて腹が立ってきた…どう考えても理不尽)
ま、ここは怒りをおさえて…ともかく、主要シーンのイメージを美術ボードにして、絵本を作るような感覚でいこう、それには「ききみみ頭巾」でも叙情味溢れる背景世界を築いた馬郡美保子さんしかない、というのも彼の判断です。演出経験のない彼女を口説くには「どうつないで見せていくかは、皆でフォローするから安心して」ということで解決となりました。だから実際には、馬郡・前田の共同演出ですね。彼女が考えた「座頭の木」の具現世界をフィルムに定着する。これが結論。
彼女は得意の和紙を画材として、千切り絵を多用。座頭の木そのものもそうだし、咲く花はすべて、今でいうところのペーパークラフトです。(冒頭、小屋の屋根の上の布が少し揺れているのが、千切った紙を貼り付けている証拠)撮影素材となるたくさんの座頭の花、そして、木に成る小物類もコツコツと彼女一人がつくり上げました。それを少しづつずらして撮るという、人形アニメ的手法で動かしたのです。撮影も大変な手間だったことでしょう。私は当事者じゃないからから、素材を「きれいだなぁ」と見てただけ(笑)。作画(セル)も美術に合うよう切り絵風スタイルにして、あまり動かさずに済む工夫を。普段は主役が多い作画ですが、今回ばかりは完全な脇役でしたね。
初期のころの「まんが日本昔ばなし」は、こういった実験的な作品がいくつも出現します。(だから著作の権利は絶対これら作者側に有るべきなんです!あ、また言っちゃった)これからの放映がどんなラインナップになっているのか分かりませんが、そんな作品の時には、またこんな補足説明ができればいいかなと思っています。「かもとりごんべえ」には触れなかったけど、ご勘弁!(その他大勢のキャラがよそのアニメ似だったのだけは、ちょっと残念だったかな…ネット上でもそんな指摘の声しきり)
来週の「牛若丸」は「かぐや姫」と同じ児玉喬夫さんの演出。「たのきゅう」は近藤英輔さんの演出です。