「まんが日本昔ばなし」は_

「三枚のお札」と「雪女」。
「雪女」の方はりんたろうさん(アニメファンなら紹介は不要でしょう。数々の劇場用作品「銀河鉄道999」「幻魔大戦」「カムイの剣」「火の鳥鳳凰篇」「劇場版X]「メトロポリス」などの監督として有名)がパート1で作られた二本の内の一本。もう一本は「舌切り雀」。(ホントはもう一本「一寸法師」がラッシュプリントまでは作られたんですが、お蔵入りに!。この事情は当事者でない私にはちょっと語れない)
りんたろうさんは「まんが日本昔ばなし」を他の演出陣とは一線を画すかのように、正攻法の演出で迫っています。(実写畑の沖島勲さんが文芸面で加わっているあたりにもその理由が有りそうですが…私はこの番組でのリアル路線はちょっと苦手。自分も「小太郎と母龍」「たろ丸の話」なんてのを演出してるけど、どうもいまひとつ)
作画は矢澤則夫さんと森田浩光さんのお二人。今も現役バリバリで活躍されてる方たちで、先日の日記のY氏とは片方の人のこと(笑)。
余談ですが、りんたろうさんはこの数年前には虫プロ制作の「ムーミン」でチーフディレクターをされていました。その頃、まだ独身でフリーのアニメーターだった私に(アパートで「ムーミン」の一話の原画を一ヶ月程のスケジュールですべて一人で描いていた。こういったスタイルは当時、私以外にも何人かいました。殆んどの人が作画監督も兼ねていて、制作サイドとしては非常に便利です。私もそう。簡単なカットはそのまま動画にしちゃうことも多々)りんたろうさんは「おまえ、ムーミンの演出をやってみないか」と言ってくれたのです。当時の私は生意気で、一部演出家の絵コンテに不満たらたらでした。「何でこんなカット割なんだ!俺だったら…」と作画しながら文句ばかり言ってた。「これはチャンス!」とばかりに私は有頂天!大張り切りで仕上げた、私が初めて描いた絵コンテを、りんたろうさんは赤のサインペンで全ページが真っ赤になるほど添削してくれました。つまり、彼は演出での私のお師匠さんなのです。その絵コンテは「宝物」として、今も大事に持っていますよ。
本名、林重行さん(東映動画虫プロの初期の作品にはこの名前で載ってます)。すぐ下の弟さんがアニメーターの林政行さんで虫プロ竜の子プロで仕事されていました(「ベルフィーとリルビット」が監督作)。末の弟がG・サウンズ全盛時の「ヴィレッジ・シンガーズ」のドラマー林ゆたかさん(余計な情報だったかな…)。
「三枚のお札」の方は小華和ためおさんの作品。特にコメントなしです。正直、こっちは当時の記憶が蘇らない。
と、いうことで今週はご勘弁を…。結局は自分の「昔話」になっちゃった(笑)。