MANGAに違いはないが…_

韓国語版「マンガ聖書物語」

ときどき、マンガ評論をやられている方のブログなどを訪問するのだが、昨日の『夏目房之助の「で?」』に、<マンガとコミックについて>という記事がありました。漫画、まんが、マンガといった表記の違いと、コミック、カートゥーン、BD、グラフィックノベルといった呼称の違いについて他のブログで触れられていた文章をきっかけに、ご自身の考えなど述べられている。http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/004031.html#more
そういえば、私の作品には、そのすべての頭に「まんが」もしくは「マンガ」と付いているので、ちょっとそのことに触れてみます。<いのちのことば社>というキリスト教系出版社から依頼を受けた最初の単行本は「まんが聖書物語」(全6巻)です。
ここでのひらがなの「まんが」は読者対象が教会学校に通うような子ども達にあったからで、柔らかいイメージからこうしたのでしょう。大手出版社から出されている偉人の伝記物や歴史を扱ったものは「学習漫画」と、漢字を使ってるケースが多いようです。真面目な本だぞ!って主張してるみたいでなんだか可笑しい。
「まんが聖書物語」が講談社+α文庫から出されることになって「マンガ聖書物語」<旧約篇><新約篇>とカタカナ表記に変わります。今度は読者対象が一般になったことと、この文庫では他の作家さんのものがすべて「マンガ」となっていたので統一する意味合いもあったのでしょう。
けれど次の「まんがグリム童話」(全6巻)はソフィアブックス・シリーズという、対象が一般であったにもかかわらず、ひらがな表記になりました。これは単純に「グリム」がカタカナなので「マンガグリム」ではカタカナ続きで読みにくいといったものでした。「グリム童話」を明確にするための方策です。
となると、今度の「マンガメディチ家物語」はどうなるのでしょう?「まんがメディチ家物語」としなければなりませんよね。で、今回は「マンガ メディチ家物語」と、「マンガ」と「メディチ家物語」を分ける工夫をしています。東販の分類も人文・歴史書(コミックス扱いじゃない)なので、あくまでも一般書「メディチ家物語」であって、たまたま文章でなく、マンガという表現手段を使っているのだよ、という考え方なのですね。ことほどさように、表記上の工夫は(一見つまらないことのようで)様々あるのです。
画像は韓国から出されている「マンガ聖書物語」の表紙。これの表記はどうなってるのでしょうか?どこかに「マンガ」ってあるのかな、ハングルは読めないよぉ…