「真崎・守」さん_

投稿少年時代の憧れの人が同じ会社にいるのは正直嬉しかったですね。ただ、当時、不思議だったのは「描ける人なのに、何で描かないの?制作やってるのは何故?」ってこと。同様に劇画に接点持ってた荒木伸吾さん、金山明博さん、杉野昭夫さんは虫プロではアニメーターとなっていたのに(教祖的存在の永島慎二さんだって「ジャングル大帝」で演出やってた)。でも、自分の作品を描くためには、アニメーターは選択肢に無いのが当然かもしれません。他人の絵をいくら描いててもねぇ…。今なら理解できます(遅すぎるって!)。数年後、マンガ家として本格活動!青年誌に幾つも連載を持って活躍されました。
ところで、この真崎・守のアシスタントをしていた、きしもとのり(貴志元則)さんっていう人がいるんですが(この人は「ビッグコミック新人賞」での入選がきっかけでこの世界に入る)、後年、出版社を経営するようになり、そこで「トラオが行く」という大ヒット本を世に出します。これは徳洲会という医療法人の創設者、前衆議院議員徳田虎雄」の自伝的マンガ(大量買取によるヒットという説も)。これをアニメ映画化(’99)することになって、その監督にと依頼されたのが、この私。実は、この仕事が私のアニメーションでの最後の仕事になりました。何故にこの仕事でアニメーションに「さよなら」したのかは…う〜ん、上手く言えない(講談社からのマンガ執筆の依頼がきっかけではあるが)。貴志さんは、近年ちばてつやさんが弁護人側の証人として立ったことでも話題の「猥褻コミック裁判」で、渦中の人となった。彼が「ヤング・コミック」誌で連載(’73〜)の「恋獄漂流」を単行本化したものを最近拝受(表紙をご紹介)。彼も、師の「真崎・守」の影響を深く受けた一人なのでした。確かに雰囲気似てますよね(中の絵も師の画風そのものです)。さかのぼればマンガもアニメも、人材的にいろいろと妙な繋がりが有る。