さて_

「ソラ豆の黒いすじ」の演出・美術・作画の、やすみ哲夫さんの名前は数多くのアニメ番組で見受けます。監督が多いけれど、時にはシナリオやシリーズ構成も。今はシンエイ動画と関係が深い。現在「あたしンち」の監督です。
このやすみ(八角)さん、かつて富士見台の虫プロのスタジオに間借りしていたグループ・タックが、代々木に引っ越した頃(’77?)に、「スタジオあかばんてん」主宰の高橋良輔さんの紹介で私の前に現れた。「ひぐっちゃん、一回使ってみてくれないかな」最近あかばんてんに参加した男で、アニメの経験は殆んど無いけど、絶対お勧めなんだ!という良輔さんの言葉に、私はその時監督していた番組「まんが偉人物語」の絵コンテを依頼しました。作品は作画に社内のアニメーターを使う予定の「エジソン」です。結果は掘り出し物!。「使えまっせ、この人!」ということで、フィルムまでのグロス発注が多い「偉人」よりも、より個性を生かせる「昔ばなし」の方がいいだろうとなった次第。ひょっとして「ソラ豆の黒いすじ」は、彼の「昔ばなし」デビュー作だったのかもしれない(おぼろげな記憶)。そんなわけですから、アニメの技術云々よりも、とにかくそのユニークさをお楽しみください。
もう一本の「どっこいだんご」は、その2年後の作品で、作画はあかばんてんのベテラン岩崎治彦さん(「初夢長者」の作画)だから、同一人の作品とはいえ見比べてみるのも一興かと。もう今じゃ重鎮といってもいいような彼の、こんな昔ばなしは当人にとっちゃ「ありがた迷惑」だったかもしれない。まぁ、お許しあれ!個人的には、その後「あかばんてん」を通じ、草野球のチームメイトだったり(彼は名マネージャー)、住まいも同一ご町内だったりで親しいお付き合い(最近、転居しちゃった!)。しかし、その週の放送が二本とも同じ人間の作品というのも珍しい。編成担当の意向なのか?偶然なのか?まぁ、そんなこと詮索してもしょうがないが。