ようやく観た。_

ようやっと「ブラザーズ・グリム」を観に行きました。昨夜のレイトショーです。
観客は我々入れて8人(アララ)。あ、私は「グリム童話」を卒論のテーマにした我が娘と一緒にであります。(ちょうど私が<グリム童話のマンガ化>に取り組んでいた時期で、参考文献が山ほどあるのに目をつけて、それをテーマにしちゃったという抜け目のない奴です・笑)
えーと、まぁ、正直いってB級バラエティー&ホラー映画ですね。グリム童話の恐怖エッセンスのみ引き出して、それを適当に組み立てただけ。第一、本来、糞真面目を絵に描いたような学究肌の兄弟を「ペテン師」という設定にしてるんですから、それだけで大変失礼なはなし。
「まんがグリム童話」執筆に際し、彼らのことを多少は勉強した身としましては、主人公は「グリム兄弟の名を騙った男たち」でも良かったんじゃないのと思いましたね。だって、民間伝承などに造詣ある兄弟という設定でもないし、言ってみりゃ「グリム兄弟」になる前のグリム兄弟なんですから。この際ネタバレもないけど、「赤頭巾」「ヘンゼルとグレーテル」も無理矢理こじつけちゃって、カエルね、狼ね、12個の棺ね、眠り姫ね、そして舞台の塔はラプンツェルねって、そりゃあグリムテイストは満載です。けれどいきなりの出だしが「ジャックと豆の木」はないだろう!なんて、突っ込みどころがいっぱい。CG満載の映像はなかなか楽しませてくれますし、役者さんたちも頑張ってます。眠くはならなかった(笑)。ただ、残念ながら深みや重厚感は感じられませんでしたねぇ。
しかし、観終わってハタと気付きました。あ、これはテリー・ギリアム監督がグリム童話のKHM201をつくったんだなと。グリム童話は全200話。KHMというのは正式なタイトル「こどもと家庭のためのメルヘン(Kinder-und Hausmärchen)」の頭文字をとった、各童話に付けられた番号。著名なもの以外には似たような話がかなりあるのです。正直「何なのこの話?」なんていう、どうにもつまらないものも(採集した話だからそりゃ仕方がない)。ですから、この映画のストーリーもグリム兄弟を普通の兄弟に置き換えれば、新しいグリム童話なんだなと。そう思ったらなんだかすっきり。でも、きっとグリム兄弟にとっては迷惑千万のことでしょう。
娘の感想?「マット・デイモン、おっさんになったなぁ!」って。