市民展_

「手塚治虫と会津」

昨日はサーバー・メンテナンスとやらで「はてな」はおやすみ?。終日お出かけだったからグッドタイミング。
で、以下は昨日のこと。
ちょいと面映いけど、「市民展」へ出かけてきた。自分の「書」が展示されているところを、一度は見ておこうと思いましてね。あった、あった!「額」に入って、気取っちゃってぇ(笑)。
子供の頃、学校の廊下に図工や書き方の作品が貼り出されたのを思い出しますね。金とか銀の紙がペロンと付けられて、ドキドキ。あ、今回のは審査などはありません。他の人のがみんな素晴らしくて、ホント恥ずかしい…そそくさと退出。

「勝川克志」個展_

で、そのまま足を延ばして阿佐ヶ谷まで。マンガ家、勝川克志さんの十三年ぶりの個展です。
※7日(水)まで「対山館」http://www11.ocn.ne.jp/~taizan/
私は彼の最初の個展にも伺っている。そのときが初対面でしたが、実は個人的にちょっとした縁がありましてね(カミサンの旧友)。JRに乗るのは久し振りだなぁ…阿佐ヶ谷といえば、私の中では「永島慎二」さんで(ご自宅があった)、あのときにも会場におられて、楽しくお話ができたっけ。もう会えないんだな…。そんな思い出を胸に、その同じお店に向かう。会場というのは小さいけれど、駅に近い、落ち着いた雰囲気の素敵な喫茶店なのです。そんな場所に、あの可愛らしい?勝川さんの絵が似合うんですよね。実に!。今回も絵はがきよりちょっと大きいくらいのカラーの原画がたくさん展示されてます。ちょっと大判のも何点かアクセントになって、勝川ワールド全開。おお、ずいぶんと売約済みのシールが!!
彼の絵をここに紹介できないのが残念です…勝川さんの画風はなんと形容したらよいのか…
「抒情」「ほのぼの」「ノスタルジック」「控えめ」「童心」「お茶目」…杉浦茂の世界にどこか通じるものもあるとは思うけど……難しい。ご本人、「痛快漫画工房」房主を任じてらっしゃるけど、このニュアンスもなんとなく昭和(特に三十年代)っぽくていいよね。しかし、あの二頭身キャラは誰にも真似が出来ないよなぁ。
私が店に入ったとき、勝川さんは、まだおいでにならなくて、その代わり?というか、今回、実はもう一つの新しい出会いがあったのです。
それは「懐かしの劇漫クラブ・劇眼漫歩」同人の方々との出会い。
大ファンである勝川さんの個展を観ようと、福島方面の会員三名が誘い合わせて上京したという。もっとも、これは会長の高橋さんから事前に連絡があり、そういうことならと、私もこの日に伺うことにしたのですが。劇画、マンガファンが顔を合わせて、交流するのは楽しいし、今後の話題も広がるでしょうしね。
同人は白井さん、大橋さん、小山さん。ともに「月刊広場」の会員でもある。
面識はなくとも、なんとなく「あ、この人たちじゃないのかな?」というのは分かるもので、ただ、四人組だったので一時「あれぇ?」と。伺ったら、その後参加が一人増えたのだと。あ、お名前は…田垣内(たがいと)さん。皆さんそろって昭和二十年代半ばのお生まれです。
果たして歓談はたちまち弾み、すぐに打ち解けます。ここが同好の士のいいところ。マンガ好きに垣根は無いねぇ(笑)。そうだ、勝川さんが来られる前の今のうちだとばかり、私は大昔の「劇画同人会誌」をバッグから取り出しました。全員が貸本劇画ファンでもあるっていうし、高橋さんの「彼ら、きっと喜びますよ」の言葉に、いくつか持参していたのです。どれもが四十五年前後も前のガリ版で作られたモノ。紙もワラ半紙です。こんなことで盛り上がっちゃ、かえって個展の邪魔かとも考えたけど、勝川さん自身もご興味おありだろうから、ま、いいかって。なんたって、かの「跋折羅(ばさら)」を作られてた人だしね。これが、結果的には大正解でした!皆さん興味津々で回し読みしておられましたよ。
話題は他にも漫画図書館「青虫」のことや「月刊広場」のこと、手塚治虫のことなど、いくらでも広がって終わりそうもない(もちろん「劇眼漫歩」のことも・笑)。
そうそう、白井さんから「私たちの手塚治虫会津」という本をいただいた(白井さんご自身が発行責任者)。昭和三十四年に手塚さんが会津若松を訪れた時のことを、さまざまに検証して「会津漫画研究会」の皆さんの協力のもと、「福島まんが集団・青い鳥」というところが一冊の本にしてしまったのですね。全184ページ、素晴らしい本です。内容の濃さにはビックリするばかり。会津魂でしょうか…この、地方からの情熱にはすごい底力を感じます。「月刊広場」の白井さんの連載記事は、この本が元ネタだったのですね。納得。白虎隊のこともあるし、最近、会津づいてるなぁ。
勝川さんがお見えになる前にと、彼らはちょっと抜け出して中野の「まんだらけ」を覗いてきますと、店を出ます。戻ったら「夜は勝川さんと飲み会だ!」とばかり張り切って。店の前でお互い記念写真撮り合ったりして、ホント、マンガ好きは無邪気です(笑)。そしたらちょうどそこに勝川さん登場。でも、彼らは予定通り中野へ向かう。どうせ戻ってくるしね。
私は勝川さんと十三年ぶり、二度目の対面。でも、事前に「劇眼漫歩」誌上でエール?交わしてたんで、もう旧友みたいな気分です。図々しいというか、ふてぶてしいというか、遠慮がなくなってきたのかしらね、この歳にもなると。昔はシャイで、万事が控えめだったのに(誰がだ?)。彼はカミサンの(私と出会う前の)お友だちですから、その頃のことなどチラリと伺う(これは秘密・笑)。
「なんで一緒に来てくれなかったんですかぁ」って言われても、カミサン曰く「三十五年ぶりになんて、女は会えないわよ!」ってね。どうぞ、ご理解・ご斟酌を。
勝川さんの登場を待っていたかのごとく、お客さんがどんどん来店。こうなると、あとはお邪魔虫になってしまいますから、私も退散と腰を浮かせると、そこへ東映動画の大ベテランアニメーターが来店、こちら虫プロの人っていうことで、また会話が広がる。でも、ホントにぎゅうぎゅう詰めになってきたんで、やっぱり私はおいとまです。また今度改めてということにして、ファンに囲まれる勝川さんを、ちょい羨望の目で振り返りつつ、店を後にしたのであります。
そうそう、あれから夜のお酒はどうだったんでしょうね?会津の人たちは強そうだし、勝川さんも好きそう。楽しい飲み会だったことでしょうね。次はそっちも是非ご一緒を!。
画像はそのいただいた本(裏表紙イラストは勝川さんです)。勝川さんの名刺を表紙の上に置いてスキャン。彼はホントにこんな人です(笑)。
ところで、勝川さんの単行本も、今月二十八日に出ます。小学館より「少年幻燈館」(900円)。お薦め!!
今朝、会津の人たちからメールが入って、昨夜は都内にお泊り、これから神田の古本屋さんめぐりだそうですよ。楽しい人たちだ!
いやぁ、とんでもなく長い日記になってしまった。でも、これ後日「劇眼漫歩」に個展訪問記?として転載となるんで、レポート代わりなんですよね(笑)。