「漫画家アシスタント物語」_

イエス・キリストのたとえばなし」という本の扉絵の紹介が終わったところで、イエス小池という人の本について(なんじゃそりゃ!?)。
「漫画家アシスタント物語」 (SUN MAGAZINE MOOK) イエス小池・著
著者は漫画家ジョージ秋山先生の許で永年アシスタントをされている方で、三十数年間!にわたるアシスタント経験をご自身のブログで赤裸々に語っておられる。私、このブログ、かなり前にその存在を知って、ときどき読ませていただいていました。内容は私にとって実に興味深く、しかも文才豊かでなかなか面白いのでありますよ。この本は、基本的にはそのネットでの日記をまとめたもののようです(にしても「イエス」っていう凄い?ペンネームの由来が知りたいなぁ…)。
私は、はるか昔に永島慎二さんにアシスタントを申し込んで断られたことがありますが(23歳じゃ歳を食いすぎてると)、アシスタント経験をせずに、いつの間にか現在、マンガを描いています。投稿とか、持ち込みもせずに、いきなり注文を受ける形で執筆を開始するという、まぁ通常考えられない経緯です。しかも50歳を過ぎてからの転身(笑)。
一方、マンガ家になることを切望しつつ、機会に恵まれず?営々とアシスタント生活を続けておられる方がいる。実力的には私よりもはるかに上であるでしょうに、この不条理?はいかに…。もっとも、私のマンガは作家性があるものじゃないから、これが望むべき方向ではないでしょうが…マンガ家になるための「アシスタント」修行ではなく、職業としての「アシスタント」が確立していると考えた方がよさそうですね。それぞれの秘めたる思いはあったにせよ、マンガの制作現場に身を置くことの嬉しさは何物にも換えがたい。独り立ちが叶わなくとも、それはそれ、と割り切る。
もしかすると、私は現在、自分でマンガを描いてはいても、おそらくどなたのアシスタントとしても通用しないのではないのか?。そう考えると、一度は経験してみたかったような…。
かつてアニメ「どろろ」制作中にもかかわらず、作画監督北野英明さんに無理やりやらされた?数日間のマンガのお手伝いが、とても懐かしく<楽しい思い出>として残ってるからだろうが、逆に、あれがずっと続いてたら「もう嫌だ!」となってたかもしれない(笑)。