つづき_

「はい、なんでしょう?」と編集部の方。
「佳作入選の○○○さんのお名前、本名でしょうか?」(この場で伏せても・笑)
「そうですよ」
「あのォ…どんな方?」
「はぁ?個人のことにはお答えできません!」
「そ、そうですね。失礼しました」
…ってな応答だったと思います。やはり本名か…そうだよな、ペンネームにするような名前じゃない!(笑)。その後、掲載誌を見る機会がありました。それによると、私と同姓同名の人は原作で、絵のほうは宇津木さんという人。つまり<マンガ原作>の立場の人でした。なんだかホッとしたような…絵を描くほうの人だったらもっと混乱してたでしょう。年齢を確認すると私より15歳ほども年下のようです。やはり文通してた人じゃなかった(笑)。へぇ〜、それにしても面白いことがあるもんだなぁ!いやぁ驚いた。その時はそれでおしまい。
ところが、その後、雑誌「シナリオ」だったか「ドラマ」だったかの創作シナリオコンクールで同じ名前を見かけます。この時は身近なシナリオライターから
「載ってましたね名前、あと一歩。頑張ってください!」
「ちょい待ち!私は応募していな〜い」
実は私、「狭山太郎」や「中野二郎」という、銀行とか区役所の名前見本のようなベタなペンネームで、自分の監督する番組内でアニメのシナリオを書いていました。だからコンクール応募も自然なことと受けとられたのでしょうね。きっとあの彼だろう。このころからこの同姓同名人の存在が妙に気になり始めました。
中野の「まんだらけ」で彼の原作、高橋よしひろ漫画のジャンプ・コミックス「天翔ける瞬間」を見つけたのも同じころ。月刊少年ジャンプに連載された競馬のマンガでした。へぇ〜、頑張ってるんだな。ちゃんとデビューしてたんだ!凄いや。カバーに写真も載ってます。若い!けっこうイケメン。ここはずいぶん違う(笑)。
親戚の集まりで子供から「叔父さん、マンガ家なんだよね」「(ほんとはアニメなんだけど)うん、まぁね」なんて返事してたのは私の大間抜けでした。子供は「ジャンプ」の方の名前で問い掛けていたのです(笑)。
(も少しつづく)