同姓同名。_

いつか書こうと思っていたこと。それは私と同姓同名のマンガ家がいるということ。嘘ではありませんよ。これには本当にびっくり!
もうずいぶんと昔になりますが、或る日の新聞記事。
<昭和62年下期>集英社「少年ジャンプ」の新人の登竜門「手塚賞」の受賞者発表の名前の中に、私とまったく同じ名前を発見。居住地(都道府県名)までも同じ。瞬間、意味が分からず…しばし自分の目を疑う。もちろん、応募などしていない。私の本業はアニメで、この時はTV東京での「ホワッツマイケル?」の監督やってる時だったか、その前の合作のスーパーバイザーやってた時だったか、とにかく中野に有ったC&Dという制作会社にいた時期です。けれど、既に休日を使っての「まんが聖書物語」の描き下ろしの仕事はしていた。前年の61年12月には単行本の第1巻が刊行されています。それにしてもどういうことなのか…私と同姓同名でマンガを描いて応募した人がいるのかしら?
このこと以前にも、私には虫プロにいた20歳ちょっとの頃、同姓同名の人との文通の経験がある。光文社カッパコミックスの「鉄人28号」だったと記憶しているが、巻末の読者ページにマンガ似顔絵の投稿で掲載されていたのが私と同姓同名の人。「え?これって私が昔に投稿したもの?」いやいや、そんな筈もなく、確か三重県の中学生だったんじゃなかったかな。このころは住所が番地まで載っていたので、私から手紙を出した。すると、向こうも私の名前を既にテレビのスタッフロールから知っていて、以来、数回の手紙のやり取りをしたのだった。差出人と受取人が同じ名前で別人。実に奇妙なものでした(笑)。「将来は同じような仕事がしたい」なんて言ってた。ひょっとして、その彼が?まさか…
とにかくこの際はと、意を決して集英社「少年ジャンプ」編集部に電話してみましたよ。
「えーと、今回の受賞者の件ですが…」
(つづく)