××年振り!_

「そんなことって!」と、呆れられそうですが、反応のひとつを紹介します。
はるか昔、私も「将来の夢はマンガ家」って、中学校の卒業文集に書くようなマンガ大好き少年でした。同好の仲間と勉強そっちのけで、ガリ版刷りの同人誌作りに熱中したりもしていたのです。そんな中のひとりに、特に親しくなったO君がいました。高校、成人さらにはお互い家庭を持ってからも交流は続いたのですが、私はアニメの仕事の忙しさに埋没。彼は父親と始めた事業にまい進。いつしか連絡も途切れるようになってしまうことに。以来四半世紀が過ぎて…ネットと無縁に過ごしていた私が昨年、息子からお下げ渡しのパソコンを手にしました。そこで、そう、お定まりの人名検索をしてみたのです。
ヒットしました。そこにはO君の現在がありました。彼の地元、群馬で立派な「ラン園」を経営している彼の姿が。もうすっかりいいおじさんです(もちろん私も)。だからといって懐かしさだけですぐにコンタクト出来るわけもなし…
チャンスは今回。思い切って「刊行案内」を送りました。すると翌々日、宅配便が。
なんとO君からです!開けると、中には彼の著書が!素晴らしい「洋ラン作りの指南書」でした。克明に描かれたイラストもすべて彼の手によるもの。マンガ家になるんだという当初の目的とは違ったのかもしれないけれど、自分の夢と自分の仕事をこういった形で結実させたことに私は感服、感激。強烈な、けれどとっても嬉しいカウンターパンチです。
添えてあった手紙には、私のことをブラウン管に流されるスタッフ名や、出版された本を入手することでずっと追ってくれていたとのこと…忙しさにかまけて、こんな大切な友人を疎遠にしていた自分を振り返ると、今更ながら深く恥じ入るしかないのです。完全なるTKO負けでした。