お墨付き。_

このところイタリアがらみのことばかりですが、更にもう一つ。それは現在、フィレンツェ大学(文学部日本語学科)で教鞭をとられる中嶋浩郎先生のこと。
「マンガ メディチ家物語」では多くの資料を必要としましたが、中でも重用したのが監修もお引き受けいただいた森田義之先生の「メディチ家」(講談社現代新書)と、中嶋先生の「図説メディチ家」(河出書房新社)でした。
特に、豊富に写真が含まれる中嶋先生の著書はどれだけ私のイメージ作りに役立ったか知れません。全体の構成も似ていたため、まさに<水先案内人>の如くでもありました。これは刊行前に一言ご挨拶をと、編集者を通じてご連絡。先生からは「私の本がお役に立つのなら是非どうぞ」との優しい返事をいただき、その上で、「この夏、帰省に合わせ日本でお目にかかりましょう」とも。
当日、なんと素敵な奥様もご一緒です。今のフィレンツェの様子から、イタリア人についての様々なこと、更には現地日本人のことまで、お二人から興味深いお話をたっぷり伺うことが出来ました。
告白しますと、今回私、現地の取材に行っておりません。「グリム」の時はドイツを南北に縦断する形で取材をしたのですが、フィレンツェなら資料はいくらでも手に入るからとの言葉を信じ、そのまま突入。確かに豊富でした。山と積んでの作業、自分が中世イタリアにでもいる気分でペン入れも出来ました。でも、やはりどこかに不安は残ります。そんな時、それこそフィレンツェの隅々までご存知の方からのお墨付きがいただけたら…ましてそれが「メディチ家」の専門家だったらこれ以上のことはありませんよね。
いただけたんです!フィレンツェに戻られた先生からのメールに「楽しく読めた」とのうれしいご感想が。
私にとっての仕上げは、いずれの機会での現地確認旅行となることでしょう。その時は必ずこの本を携えて行きます。
素顔のフィレンツェ案内 (白水uブックス)