「わらしべ長者」_

これは「まるふしろう、上口照人、私」という、当時のタック社内に於ける黄金トリオの作品の一つです(笑)。最高傑作(と自負)の「笠地蔵」に続く第二弾として、私と上口さんが作画を半分づつ担当。私は今度は前半分を受け持ちました。
キャラクターデザインが、ちょうど「魔法使いサリー」の三つ子がそのまま大人になったみたいで、正直今一つかなと思ってるんですが(藤本さんゴメン)、私が印象深かったのは主人公をデルマ(ダーマトグラフ)鉛筆で描いたこと。主人公の純朴さをその太い線のタッチで表現したかったんですね。ただ、困るのはデルマだと紙が汚れるんだ、これが!。動画用紙は重ねるからね。一枚一枚フィキサティーフ(定着スプレー)が必要かなんてくらい、ちょっと面倒だった。原画だけにそんなことしてもしょうがないんで、実際には使ってませんが。作画自体は殆んどが一人芝居なんで楽だった。なのに何で二人で担当したのかは今となれば「?」。きっとスケジュールの都合でしょう。話の中身と言えば、わらしべ→みかん→反物→馬…となって、さてラストはどうなるのでしょうか?…ま、長者になるんです(笑)。