映画の話_

田村高広さんが亡くなられた報に、父を思い出した。父が昔、ずいぶんと贔屓にしていたというか、特別好きな役者さんだったからだ。享年七十七歳というのも父と一緒だな(父が邦画専門名画座「銀座並木座」の初代映写技師長だったことは既述)。大スター阪妻の息子ということもあったろうし、弟の一人が「まさかず」という自分の倅と同じ名前ということもあったのかな(笑)。映画の話となると、しばしばこの三兄弟(もう一人は亮)の話題が出たのを覚えている。父が好きだった昔のNHK大河ドラマにも田村高広はずいぶんと出ていた。
映画では「泥の河」や「阿弥陀堂だより」もいいけど、私が好きだったのはずっと以前の勝新太郎との「兵隊やくざ」シリーズ(父は勝新も好きだった)。田村高広はインテリな上等兵役で勝とのコンビは絶妙だったなぁ。勝には同じようなコンビものに田宮二郎との「悪名」シリーズがあるが、田村の方が数段と勝を活かしている気がする。もともとが主役のタイプじゃなかったけど、渋くて上手い役者さんだったよね。芸歴は半世紀以上もあるんじゃないでしょうか。木下恵介監督、高峰秀子主演の「二十四の瞳」にも出てるっていうんで検索してみたら、成長後の教え子役ですね。戦争で失明した「磯吉」役だって。そうだ、今度、古い日本映画のファンサイトでもサーフィンしてみようか。
今朝の新聞によると、近日中にNHKがBSで追悼番組として幾つかの出演映画を流すみたい。要チェック。