「年神さま」_

「年神さま」

紹介してる私の演出作はあと5本。これから先は放送順でいいですね。時期は本来なら年末なんだけど(’76・12・25放送)「年神さま」です。なんだかサンタクロースにも見えるところがご愛嬌。
晦日、みすぼらしい姿の神様が、一晩泊めてくれるよう家々を訪ねます。どこでも断られますが、ある貧しい夫婦(元は長者)が「何もありませんが」と喜んで泊めてあげる。当然、神様から二人に福が授けられるのですね。「金欲しいか?歳若さ欲しいか?」っていう問いに「歳若さ」と答えます。「川で七度、水を浴びよ」との仰せに従うと二人は若返りました。
そのことを知った金持ち夫婦が、神様を強引に家に引っ張りこんで歓待、神様は同じようにお礼はどちらがいいか聞きます。金持ち夫婦も「歳若さ!」。ところが、一族を引き連れて川に入った金持ちは、全員「猿」になってしまう。神様は若返った二人に、これからは金持ちの家で暮らすようにと言って去っていきます。けれど、怒った猿達が毎日、元の我が家の周りでわめき続けるので、二人は困惑。すると、夢に神様が現れて「門の前の敷石を焼いておきなさい」というお告げ。そのようにすると、猿達がいつものようにやってきた。不思議なことに全員が一度空中に持ち上げられて、一気に敷石の上に尻から落とされる。ジューッ!!猿は逃げ、二度と現れなかった。そうです、以来、お猿の尻は真っ赤になったのさ。
この猿のくだりは別として、ほとんど同じ話が「グリム童話」にも「北欧神話」にもあります。この「年神さま」にしても、原話は「備後国風土記」のスサノオノミコト武塔神)になります。旅の人は大切にもてなす、もしかしたら聖なるお人かもしれないのだから、という考え方は昔から洋の東西に共通する、信仰のようなものなのでしょうね(何かの受け売り?・笑)。
狢工房さんの資料室によると、番組では「としがみさま」というリメイク版?が(’86・12・27)あるようです。ビデオになってるらしいけど、内容も同じなのかしら?
さて、今日から、前回パスした「古本まつり」が隣町で始まる。今回は出かけるとしよう。その前に編集さん宛てに「ルター」の絵コンテを投函と!