「仙人みかん」_

「仙人みかん」キャラクター

昨日は先に仙人のキャラクターをお見せしましたが、こっちが主人公。
なんだか水木しげる風でしょう?そのわけは後述するとして、ストーリーは…
ある男がみかん畑の中に入り込んだら、もの凄く大きいみかんが有ってその中から話し声が聞こえる。こっそり穴を開けて覗き込むと、仙人が二人で碁の対局中。正面の仙人と目が合ってしまうが、そこは仙人、黙っている。で、碁好きな男はその仙人にこっそりと指南するわけです。すると形勢逆転して…
これは、木負(きしょう)今の沼津市の昔ばなし。検索したら載っていました。こちらを読んでいただいた方が詳しい。↓
http://www.torihama.com/hamamatsu/history.html
※この中の「仙人のみかん」をお読みください。

ま、多少アレンジしていますがこういった話です。
映像化するにあたり困ったのは「終始、舞台がみかん畑の中に固定されていること」移動はありません。碁を打ってる二人とそれを覗いている男なんですから。単純にカメラを切り返すだけでは何とも…というわけで、とにかく背景を描き込もう!嫌になるくらい緻密に描いて、それで10分を引っ張ってしまえ!そこで思いついたのが水木しげるの背景のタッチです。みかん畑をペン画で微細に書き込むのです。先ず「うわぁ、凄ぇ!」って驚かせる。細密ペン画の背景がTVシリーズに採用されることは通常ありませんから。近景では葉っぱの一枚一枚の葉脈まできっちりと。もちろん着色は淡く。描かされた美術の青木稔さんはいい迷惑だったことでしょうが、その代わり通常より圧倒的に少ない枚数で済むのですから、そこは押し切ります(笑)。
逆にキャラクターデザインは単純にした方が際立ちます。作画はシンエイ動画に発注。こちらは楽な仕事だったことでしょうね(笑)。でも、指先に挟んだ碁石をパチリ!と盤面に打ち付ける仕草などは、本格的です。ロングショットでは確かに「囲碁」を打っているのですが、盤面をアップにすると何故か「五目並べ」になってるのは私のお遊び。
とにかく、そういったわけでこの話はキャラクターも水木風がしっくりきてしまうのです。考えてみれば、まか不思議なストーリーですからそれも納得!。