M・Hくんの自伝_

といっても私ではない、別のM・Hくん。
或るアニメ関連サイトの連載記事に、おそらく私であろう人物が登場。
業界でも名の知れたベテラン演出家の自伝にです。
彼の若き日の挫折体験に登場してくる、小さなスタジオの代表が私。
私がアニメーター志望の彼を採用したことになってるけど、スタジオはフリーの集まる場所で、会社じゃないから「勉強したいんだったらどうぞ。机は空いてるよ」で、基本、自分で稼がなきゃならないわけです(仕事の世話や助言はしますが)。
前の会社でも動画をやってたというんだけど、よほど辛かったんでしょうねぇ…すぐに辞めてしまいました。
でも、彼、そこからが偉い!
次に訪れた(私の良く知る)プロダクションの仕事で成功を収めるのです。
そこからはトントン拍子の大活躍! 私も「お〜、あの彼が!」と。
本来は演出家志望の彼でした。プロダクションではきっと正直に志望を打ち明けたのでしょう。私のところで動画は卒業しました、とでも言ったのかな(笑)。
当初は彼、動画から原画、原画から演出へステップアップというルートしか無いと思っていたらしく、最初の動画がダメなら「もうアニメの世界では働けない」とまで…
でも、絵が描けなくたって演出は出来ます。開き直っての挑戦が実を結んだのでしょうね。
自伝は、その辺りの苦悩・心情が素直に吐露されていて実に清々しい。
私のスタジオ退去が転換点にもなったようで、なんだか嬉しいような…
ひょっとして恩人かも知れませんねぇ、私(冷血な奴とは書かれてないようで、ホッ)。
どうぞM・Hさん! これからも業界を支えていってくださいませ。