先日＜余談＞としてちょっと触れた「アニメ野球リーグ」について、当時の選手名鑑が出てきたので、懐かしさと共にご紹介。ここから先はマニアック過ぎますので、ご興味無いお方はどうぞパスをなさって！（笑）。
この選手名鑑、２００人ほどの草野球好きなアニメ関係者が、各チーム毎に顔写真と共に詳細に紹介されているものです。生年。出身地。身長。内・外野手、投手、捕手などのポジション。右投げ右打ち、左投げ左打ちとか。本業（アニメーターとか、制作とか）。所属会社。電話番号。自宅住所。個人情報そのものですが、今となれば資料としても貴重品！！
表紙のイラストは「力太郎」「しっぽの釣り」の光延博愛さんが描かれたもの（ご本人はまったく野球をなさらない）。文字の濁点がボール、バットが鉛筆、ホームベースがシナリオ原稿用紙、キャッチャーは電話を受けながら透視台に向かい、裏表紙のピッチャーはタップのプレートからボールの代わりに絵の具を投げています（笑）。
この草野球リーグは、アニメ業界に働く日頃運動不足の連中の健康維持と、お互いの親睦を目的に、「アニメーション野球リーグ」として’７７年に発足。事務局はグループ・タック内に置かれました。事務局長は「まんが日本昔ばなし」で文芸をやられている平見修二さん。発足当時は６チームだったか、８チームだったか、１１チームの時もあったし…（失念）。試合は原則、平日の午前中（早朝多し！）。夜型人間の多いこの業界ではかなりつらかった。石神井東台球場、上井草グラウンドなどが主戦場。この選手名鑑がつくられた’８３年には９チームが所属しています（私は「あかばんてん」所属）。
「タック・ドリーマーズ」（監督・平見修二）グループ・タック社内の野球好きが参集。
前田庸生、中田実紀雄、上口照人、藤田健、小林三男、三輪孝輝、平松達也、江口俊介、杉井儀三郎…
「アニメッツ」（監督・進藤満尾？）フリーのアニメーター中心（虫プロ系多し）
川尻義昭、望月敬一郎、佐々門信芳、札木幾夫、児玉兼嗣、酒井明雄、中島豊秋、宍倉敏…
「ハスラーズ」（監督・吉田健次郎）プロダクション・ルーズのスタッフ
小森徹、神田豊、青木健、小林勝利、兵頭敬…
「サンライズ」（監督・金山明博？）日本サンライズの制作と所属アニメーター
桜井芳久、佐々木勝利、鹿島典夫、平野謙一…
「ドカベン」（監督・岡迫亘弘）土田プロの制作と所属アニメーター
小華和ためお、加藤良雄、岡安肇、小島秀人…
「ボックス」（監督・芝山努）亜細亜堂、シンエイ動画、あにまる屋のアニメーター中心（東京ムービー系）
小林治、河内日出夫、鈴木信一、本多敏行、山田みちしろ…
「あかばんてん」（監督・原田益次）フリーランサーの寄せ集め
桜井正明、堀口忠彦、西田稔、やすみ哲夫、高橋良輔、岩崎治彦、竹内大三、関修一、大山哲史、古宇田文夫、菅良幸…
「ユニサマ」（監督・河野次郎？）スタジオ・ユニの背景、美術スタッフ中心
古谷彰、池田繁美、真保裕一、宮野隆…
「バック・ライターズ」（監督・星山博之）アニメのシナリオライターたち
富田祐弘、渡辺由自、金子裕、寺田憲史、山崎晴哉、荒木芳久、高屋敷英夫、伊東恒久…
とても全員は載せきれない。洩れた人ご容赦！（スタッフタイトルに見かける人をチョイスしたつもり）
※監督名に？を付けたのは、名鑑には表記が抜けているため。それぞれチーム内最年長のまとめ役だったので、間違いないと思うが。
’７７年には「アニメッツ」が優勝。
’７８年から「タック・ドリーマーズ」が’８１年まで４連覇。
’８２年に「ハスラーズ」がタックの連覇を防ぎました。
各チーム総当り２回戦もしくは３回戦づつなので、年間２０試合前後の試合の勝率で優勝が決められます。規約も作り、専任の審判員もいて、個人記録も集計されていた。シーズン終了時には表彰式典も。毎週どこかが試合をしているので、その都度、新聞が発行されたりして、けっこう大真面目な取り組みでしたね。しばらくは私も楽しんで参加していましたが、寄る年波と共に身体が悲鳴を上げるようになり（皆もご同様）数年後「あかばんてん」はチーム解散となります。そして引退。その後、このリーグがどう変遷を遂げたのかは、残念ながら私は知らない…。私のデータ？おおむね２番でセカンドとか、センターで７番とかいった按配ですからご想像ください。まぁ、業界でのポジションと似ていましたね。一度だけ「あかばんてん」でチーム内ＭＶＰを戴いたけど、いつも地味にそこそこ…（苦笑）。
タックには草野球以外に「タック・マスターズ」というゴルフの親睦グループもありました。その話はいずれの機会に。ふぅ…くたびれた（こんなことやってる場合か！・怒）。
