諸星大二郎の_

「トゥルーデおばさん」を購入。副題が「グリムのような物語」とあるように、グリム童話を基にマンガ家諸星大二郎が「赤頭巾」「ラプンツェル」「ブレーメンの音楽隊」などの数編をマンガにしたもの。
私も「まんがグリム童話」全6巻(講談社・刊)として、4年がかりで全200話の中から53編(計1400ページ)をマンガ化しているので、ここは比較(?)のためにもチェックしておきたいという動機から。ぶんか社から出ている、少女マンガ家さん達が恐怖&エロチック仕立てでまとめ上げたものとは違って、諸星さんが自身の作家性を「グリム」という素材を使って発揮したものです。だから、原話のテイストがどの程度残っているのか、そこが知りたかった。私のは「あくまで原話を忠実にマンガで表現する」という観点であり、作家ではなく、職人としてどこまで描けるかが命題でした。だから、内容の比較など端から意味の無いことなのだが、絵的表現なら見比べることは可能です。諸星さんは緻密な(ちょっとおどろおどろしい)描き込みでは定評があります。きっとドイツの重苦しい中世の雰囲気にはぴったりなのでは…と、思ったら正に当たり!
評論する立場にはありませんので中身のコメントはしませんが、この本によって「グリム」の面白さを、より追求してみたくなる方もいらっしゃるのでは?。その場合、各種出ている原話の翻訳もの「グリム童話」全集をお読みいただき、さらには私の「まんがグリム童話」も是非に…なんて(笑)。ということで、今日は便乗宣伝をからめてみた次第。チャンチャン!