伊藤亘さん_

午後に、ギャラリー「麦」のご主人から連絡が入り、ようやく85歳のグラフィックデザイナー、伊藤亘さんにお会いできた。
グリム童話の「ラプンツェル」を題材にした紙彫り童画の個展です。パロル舎から出された同名絵本isbn:4894191482。間近で観てビックリ!もの凄く手間がかかった「工芸品」のような作品です。絵をパーツごとに細かく描き分け、下にボール紙を重ね貼りして切断、縁を削り、浮き上がったように見せる。それを画面に全て貼り込んでから着色…といった行程を経るようで、上手くいって一枚仕上げるのに最低三日はかかるそうだ。もちろんこれは作業だけのことで、絵全体の構想は入っていません。もの凄いエネルギーですね。ご本人も、それはそれはお元気そうなお方です。私の「まんがグリム童話」で各話解説していただいた西村佑子さんとも「日本グリム協会」の会員同士でお知り合い。同じ「グリム童話」に取り組んだという縁で、話も弾みました。今は「がちょう番の娘」に取り組んでおられるとか。「しかし、グリムは商売にならないんだよねぇ」と、ギクリとする一言。う〜ん…(苦笑)。来年2月の市民文化祭にも展示されるのだとか、私の原画も一緒に展示してはどうか?なんて言われちゃった。