関谷ひさし_

ゼラニウム

昭和三十年代に「ジャジャ馬くん」(冒険王)や「ストップ!にいちゃん」(少年)で大人気だった漫画家、関谷ひさしさんが亡くなられたという(80歳)。
スポーツものや、車が出てくるマンガを多く描かれ、私も大ファンだった。
私には、やけに真横の顔ばかり描く漫画家さんだったという、妙な印象が残っていますが、大きな黒目に白丸のハイライトが入った瞳と、尖った鼻の頭が特徴。
これは挿絵画家からマンガに転身する際の吉田竜夫九里一平兄弟に大きな影響を与えたようで、絵のタッチがとても似ている。彼らの方が、いくぶん大人っぽいけどね。
もちろん関谷ひさしのアシスタントだった中城健太郎、奥田竜緒は、当然の如くに師匠の画風を継いでいます。で、この二人が共に発足時のタツノコプロに入社した(中城さんは雑誌、奥田さんはアニメ)。
そんなもろもろもあってか、初期のタツノコプロの画風には関谷タッチが色濃く感じられます。(「マッハGoGoGo」なんて、特に)。私の許にまわってくる、奥田さんの描く「宇宙エース」の原画には、常に関谷ひさし風の目が在りましたっけ。
私も少なからず縁があって、中学一年生のときに「漫画王」という雑誌に、この関谷ひさしの当時の連載マンガ「少年パイロット」の似顔絵を投稿、最優秀賞となって、野球グローブをもらったことがある。描いたのはもちろん横顔(笑)。
だから、私がアニメーターになっての最初の作品が「宇宙エース」というのは、実にラッキーだったのかもしれません。関谷タッチ、バンザイ!
1928年生まれというと、手塚治虫と一緒ですか。夢を与えてくれた偉大な先輩たちが、少しづつ消えてゆく…(合掌)。