さて、_

「ジャックと豆の木」プログラム

明日の「まんが日本昔ばなし」は「節分の鬼」と「猫檀家」ですが、先週、両方とも知らない(覚えていない)と書いたところ、この番組の私的資料室みたいなHP「狢工房」(この日記の10月21日をご参照ください)のご主人三善和彦さんから丁寧なメールを戴いた。それによると、小華和(こはなわ)ためおさんの「節分の鬼」は時期ものどころではなく、三善さん自身が「最も好きな作品」と言い切るほどの素晴らしい内容だそうです。それから、「バク転する爺さんを見逃さないように」と、ご自身の掲示板で述べておられます。さて、どういったことなのでしょうか…なんだかこれは楽しみになってきました!。
「猫檀家」の方は、MBSの番組HPで見る限り、漉田実さん(杉井ギサブローさん)のいつもの飄々とした作風のものですね。私も「空をとんだキツネ」「カジカのびょうぶ」でこれと同様なタッチの作画を担当しています。今回は上口照人さんの作画。上口さんは杉井さん同様、東映動画から虫プロへと移られた方で、この当時は(以後もずっと)番組のチーフ・アニメーター的存在でした(虫プロ時代は「リボンの騎士」「どろろ」などで私の上司)。「笠地蔵」「わらしべ長者」では彼と私とで作画を半分づつ担当しています。番組では初期に「八つ化け頭巾」「木仏長者」を演出しましたが、以後はもっぱら作画に専念。とってもていねいな仕事をされますし、手懸けた作品数はおそらく番組随一ではないのかな。
今日は杉井さんが監督をして、上口さんが原画(のちに「まんが日本昔ばなし」のCDになる前田庸生さんも)で参加している、G・タック初の長編まんが映画「ジャックと豆の木」(’74年、ヘラルド・東宝)のプログラム表紙を画像紹介しましょう。この作品、登場人物のそれぞれを各アニメーターが個人分担する、スター・システムをとってます。上口さんは「巨人」の担当(前田さんは「お姫さま」)。脚本は「まんが日本昔ばなし」でも多くの文芸を担当している平見修二さんです。
この作品、公開当時<海外(ディズニー?)作品>と間違えられたっていうエピソードもあるくらいクオリティーが高い。残念ながら、私はこの当時はまだ部外者(観客側)でした。