今週の「まんが日本昔ばなし」は_

「かしき長者」と「大六天さま」
「かしき長者」はまるふしろう(藤本四郎)さんの演出でシリーズ第2期の作品。(第1期にはタイトルがちょっと紛らわしい、同じ藤本さん演出の「たにし長者」が有る。こっちは私の作画)私は藤本さんのらっきょうかエシャレットみたいな形の、この主人公のとぼけたキャラクターデザインがお気に入り。作画は高橋信也さん。
「大六天さま」はどんな話か知らないので、検索してみたら、池原昭治さんが紹介する「狭山の昔ばなし」(狭山市HP)に有りました。http://www.city.sayama.saitama.jp/history/ehon/kasiwabara/dai6ten.htm
池原さんは、番組にも中期ごろに参加されていた演出家で、今回の再放送でも「きつねがわらった」が放映されています。もっとも、実際の放映作品の演出はフクハラ・ヒロカズ(福原悠一)さんです。フクハラさんはテレビアニメが始まるずっと前からアニメーターやってたほどの大ベテラン(奥さんはドイツの方・これは余計な情報)。あの特徴ある、カクカクした動かし方はどこかで見た記憶が…と、思ったら「怪盗プライド」(’65)という、当時、まだ白黒のアニメ番組を作ってた人でした(知ってる人は知っている・笑)。彼の個性は独特のキャラクターデザインもそうだけど、動かし方にとても特徴が有って、余人には真似が出来ない。通常のリミテッドアニメは、一応は3コマ撮りが基本ですが、フクハラさんにはそんなことはまるで関係有りません。6コマ、8コマ、10コマ、12コマ、いやいや何コマ撮りって決められない。どうやったらあんな動かし方が出来るの?ってくらい、撮影シートは一度見せてもらったことがあるんだけど、もう判読不明、解析不能なほどです。私が監督した「まんが偉人物語」でも幾つもの作品を担当してくれました。「キャプテン・クック」「西行」「スチーブンソン」「ツィオルコフスキー」「近松門左衛門」「ゴーガン」猫が大変にお好きで、私が知る限りではどんな作品にも必ず出てきます。その都度、野良だったり、飼い猫だったりしますけど、本編中のどこかにさりげなく登場してますので、それを捜すのも一興かな。「大六天さま」も例外じゃないと思うんですが…ネ。
と、ここまで書いて「狢工房」を覗いたら、アララ!この作品は非常に珍しいことに、作画が別の人です!(殆んど作画までやられる筈なのに)じゃ、フクハラさんの動きについて書いたけど的外れになったかも。猫のことも無駄だったか…。で、ここでまた念のため番組HPを訪ねてみたら、「やっぱりいたぁ、座敷猫!(笑)」なんだ地名も柏原って書いてあるじゃない。我が家からもそう遠くないし、今度「大六天さま」探しに出掛けてみようかしら。作画の細谷秋夫さん、あの個性的キャラクターをどう動かしたのかも楽しみです。