私も半世紀ぶり_

谷川一彦のマンガ「発掘」じゃないけど、私もはるか昔、1961年(昭和36年)の春にさかのぼってきた。
49年前、中学2年の終わりのころの自分に会いにだ。
昨日、国立国会図書館の分館、上野にある「国際子ども図書館」に昔の少年雑誌を捜しに出かけた。
秋田書店発行の「まんが王」。この雑誌に、私の投稿した似顔絵が入選しているのです。賞品にグローブをもらったし、何月号かも分っている。
これまでも古書店や古本市などで捜してはいたが見付からずにいました。ときに数万円の値も付く雑誌ですが、是非ともゲットしたいものだなぁと。
が、あるとき気付いた。そうか!入手にこだわることはない、雑誌を収蔵しているところで、その箇所を見せてもらえばいいんだと。
数年前、早稲田の現代マンガ図書館(内気コレクション)に行く機会があったが空振り(リストに当該号は欠けていた)。
そこで、去年にウェブ上で国会図書館の蔵書を検索してみると、あったのですねぇ、そのころの「まんが王」がズラリと!!! さすがです。
こうなれば、都合の良い日に行くだけ。そして、昨日をその日と決めた次第。
で、閲覧の申し込み。さぁ、ついに過去の自分とめぐり合えるぞ(ワクワク)。
しかし、係りの人は「書庫に無い」と。ええ〜ッ?!んなことって…
1、2、3月号が1冊のファイルに綴じられています。それを5冊(1年3ヶ月分と別冊1で計14冊)の「まんが王」が私の手元に届けられました。「まんが王」はこれが収蔵の全てのようです。
ページをめくると…
おお!懐かしい少年雑誌の匂いが…手塚治虫の「俺は猿飛だ」が巻頭カラーだ!
関谷ひさしの「怪力くり太郎」ムロタニツネ象「わんぱくター坊」わちさんぺい「とんま天狗」田中正雄「チャンスくん」九里一平「ミサイル金太郎」桑田次郎「黒わし少年」などなど…
うわ〜、読みたい!!! が、ここはじっと我慢。
「にこにこクラブ」という読者のページに似顔絵コーナーがある。
一応、全ての号をチェック。私の投稿はどこにもありません。
どうしたこと…記憶違い?
すると、判明した!
なんと、最終の号に『次号から「まんが王」は「小学生画報」と改題されます』と告知が。
おお〜〜ッとっと!!!なんてこったい。
すぐに「小学生画報」の閲覧申し込みです。
ありました!!!改題最初の号の読者ページに私の入選作が。しかし、私の記憶には全くこの誌名は無かった。いやぁビックリだ。


関谷ひさしの「少年パイロット」の似顔絵。下に「高級グローブを送った」って書いてある。椎名町5丁目(トキワ荘至近!)っていう住所まで載ってますね(笑)。
でも、このことでやっと得心した。私はこの入選に対し、どこか後ろめたい思いをずっと抱いていたのです。中学生の自分が投稿していたことがフェアじゃないと。誌名が「まんが王」から「小学生画報」に変わっていたことがその一因だったのだなぁ… このとき同時に兄弟雑誌「冒険王」が「中学生画報」に改題されています。そっちに出すべきだろって言われているようですよね。ましてや購読してたんじゃなくって、貸し本屋さんで借りてた雑誌なんですからひどいものだ。ま、全ては時効だけどね(笑)。
こうして、ちょっとバタバタしたけれど、無事に半世紀振りの再会がかなったというわけです。
当該ページをコピーをしてもらってから「また来るね」と退館。じっくりと本誌を楽しむ余裕がなかったものだから、それが心残りなのです。だって<つづきゆかいまんが「ナマちゃん」あかつかふじお>なんてのが載っていたりするのだ!
その後、すぐ近くの東京都美術館に寄って、開催中の「書道展」をいくつかチェック。
ここでは元虫プロの彩色だった女性が公募部門に入賞しているのです(忘年会で情報ゲット)。
ガラスケース内にそれを確認「実に素晴らしい!」。
そして、デパート催事場での「現代書道二十人展」へ。こっちも凄い。昨日の上野行き、本来はこれが目的だった筈では?(笑)。
※追記
「小学生画報」の誌名はわずか9ヶ月で、翌年から再び元の「まんが王」に戻っています(不評だったか?)。
そして、これ以降の「まんが王」も収蔵されているようですね(上記訂正!)。
「まんが王」の前の誌名「漫画王」も、創刊からではないけれど、かなり揃っているようですよ。